蓮池通信
子ども×神奈川県立美術館・鎌倉館

蓮池通信ブログ

本サイトは、横浜国立大学教育人間科学部附属鎌倉小学校の子どもたちと神奈川県立近代美術館鎌倉館との交流から生まれました。 これまでの交流記録をはじめ、現在の活動の様子や子どもたち自身が日々感じていることをブログで少しずつ発信していきます。

ミナモの波紋のように、だんだん広がって、大きくなることを願って…。

投稿者: grouprough

美術館での旅 その後

2009.08.21 Friday



目が覚めた。
ここはどこだ?と思ったが見覚えがない。
いや?ちょっと待てよ…。
この風景はいつか鎌倉館でみた松本陽子さんの「私的光景」だ。

今日は気分転換に鎌倉館に来た。入った瞬間はひんやりしていてやっぱりこの暑い夏に鎌倉館は最高だ。早速絵の鑑賞を始めた。1つ1つの絵には何か魅力的なものがあり、どの絵にもひかれたが、1つの絵に目が留まった。
「私的光景」だ。
この絵は色づかいは暗いが、どこか明るさも感じられる。そういえば、ポケット絵本にもこの作品がのっていたなと思いながら次の絵目を移そうとした瞬間、何かが光った。

・・・。

そして今ここにいたるって訳か…。
とにかくここから出よう。・・・?
どうやって出るんだ?
悩んでないでとにかく進んでみよう。
辺りは暗いが時々明るい光のようなものが見える。俺は光が見える方向に進んでみた。だが光はいっこうに俺のほうに近づいてこない。逆にどんどん離れていくようだ。とても疲れた。何時間歩いたんだろう?少し休もう。そう思い座った瞬間また何かが光った。



甘い香り、太陽からふりそそぐ光、「私的光景」に比べて温かい場所。
今度はどこだ!?
鎌倉館に戻れたのか?と思ったが、鎌倉館の中に甘い香りの物や太陽などがあるわけがない。恐る恐る目を開けてみた。
そこにはでかい花や虫、とにかく普段の生活で自分より小さなものが大きくなっている!地面はうごめいているようで、何かとんでもない生物が出てきそうだ。
…うむ?確か、この風景は田淵安一さんの…、「インディアンサマー」だ!
この絵の印象は、主人公が小さく、そこに住んでいるたくさんの生物たちと出会っていくという物語が俺の中にある。色鮮やかで少し雑っぽく見えるがとても見ていて楽しい絵だ。
そんな絵の中に俺は今入ってしまっているのだ。俺って今小さいよな…。少しイヤな予感がよぎった。

・・・。

まぁ今度もさっきみたいに歩いていれば大丈夫だと思った俺は、再び歩き始めた。でも今度はそう簡単にはいかなかった。道は遥か遠くまで続いていて、しかもどんどん暑くなって行く。さすがに歩くのはもう無理だと思い、別の方法を考えた。だけどやはり歩き続ける以外に答えは出てこなかった。俺は出口を求めてひたすら歩き続けた。

そこに一匹の虫が現れた。多分バッタだと思う。とにかく大きすぎて分からない。その虫によるとこの先進むのは相当辛いらしい。「それでの行くのか?」と聞かれた俺は「行くしかない。」と言った。俺はこの時決意した。どんなに辛いことがあっても前に進んで絵の中から出るんだと。俺の気持ちが伝わったのか、虫は俺を大きな背中に乗せてくれた。そして、虫は大きな風とともにジャーンプ!!とその時、光に包まれた。今度こそ絵の中から出ることができる!と思った。

…暑い。
この暑さはハンパじゃない。暑いというより「熱い」という方がピッタリくる。目を開けてみると、そこは赤と黒の世界だった。とにかく見たことのないすごい世界だ。この絵は確か…、杉全直さんの「湧く」?だよな…。
やはり今度も出ることができなかったか…。だけど前に進むと決断した以上引き返すわけにはいかない。俺は前に進んだ。熱いと思っていた風景もよく見ると赤と黒がキレイで、紅葉した葉が辺りをおおいつくしているようにも見えた。
・・・。だけどやっぱり熱い。夏バテとは言わないがやる気が出ない。とにかく歩くのもダルかった。このままじゃ絵から出ることができない。少しやる気が出た。
風景を見ながらのんびり歩くと案外楽しく、杉全さんがどんな気持ちでこの世界を描いたか分かる気がした。そんなことを思いながら汗だくで歩いた。歩いて歩いて歩きまくった。そうしてやっとたどり着いた。
今、俺の目の前にトビラがある。このトビラを開ければきっと鎌倉館に戻れるはず。思いっきりトビラを開け、中に飛び込んだ。
やったー!今度こそ戻れた!目を開けた。
・・・。鎌倉館じゃない。



ここは…。村井正誠さんの「天使とトビア」だ…。
「天使とトビア」といえば、トビアが旅に出て…。みたいな話だっけ?そこには白に赤、青などの色づかいが斬新な感じで、この世界にいるとスキップしたい気分になる。そういえば、ここに来る前にトビラをつかったよな。この絵の名前は「天使とトビア」…。ダジャレかよ!そう思った。そのようなユーモアがピッタリな世界だと思った。
急に人影を感じた。誰だ!?と後ろを振り向いた。そこにはトビアがいた。目と目が合った。「トビアさんですか?」と聞いた。「トビアです…。」やはりそうだった。俺はあの鎌倉館でみたトビアに会っているのだ。俺はトビアの後ろに目を移した。何かいる?そういえばこの絵は「天使とトビア」だ。トビアの後ろには天使がいるのだろう。でもトビアはその存在に気づいていない。トビアに何処に行くのか聞かれた。俺は今までのことを全て話した。そうするとトビアは俺に協力してくれると言った。トビアは俺と会う前に川に行っていたらしい。そこの川に何か光るものがあったらしい。俺に何か変化がある時はいつでも「光」の存在がある。そこに行けば今度こそ…。
トビアに別れを告げ、その川に向かった。すると確かにそこには何かがあった。俺は考える間もなくその何かに向かって、川の中にもぐっていた。その時、俺は足をつった。やばい!外に出ようとしても思うように足が動かない!やばい!苦し・・・。

・・・。

ここはどこだ?
俺は死んだのか?
いやそんな感じはしない。
目を開けた。
俺は鎌倉館の蓮池のソファーに座っていた。天井には池の波紋が映りキレイだった。今までここで寝ていたのか?あれは夢だったのか?
そう思った時、手に何かを持っていることに気づいた。あっ!トビアにもらった石だ。何かあったらこれを使えと渡された物だ。俺の手はトビアからもらった石を握っている。やはりあれは夢ではなかったであろうか…?

外は雨が降っていたらしく、蓮池の上を見上げると虹がかかっていた。



あんな不思議な体験をしてからもう半年がたとうとしている。
いや、もうちょっとで1年か・・・。
そんなことを考えながら立ち寄ってみる。あの「鎌倉近代美術館」に。
あれから俺はトビアにもらった石を大事に持っている。これがあると勇気が出るから。久しぶりに立ち寄ってもやはり美術館は何も変わっていなかった。という俺も何も変わっていない。変わったのは身長くらいだろうか。絶対10センチは伸びただろう。少し優越感に浸ってみる。
でも変わっていないことに安心する。やはり美術館はいいところだ。これからもいっぱいこよう。これからも絵をみよう。これからも変わらないでいよう。俺は少し変わってしまうかもしれないが、この気持ちを大切にしていこう。
これからもずっと・・・。


物語:神楽(2007年度6年1組)
写真:2007年度6年1組、高松

物語 | 09:31 | comments(0)

投稿者: grouprough

2008.08.25 Monday



僕は蓮。
上しか見れない。
けど、美術館の天井は水面が映ってとってもきれい。
雨の日は見れないけれど、風が吹けば美術館が見える。

「こんにちは」
僕は言う。
だけど、お客さんは答えてくれない。
でも僕は話すんだ。
すると「きれい」って時々答えてくれる。

僕にとっての一番の友達は雨の日。
それ以外はひとりで楽しむ日。僕はいつかいなくなってしまうけど、僕を見に来てくれた人たちの中で僕は生きている。
だからみんなも僕を見に美術館に来てくれたらうれしいな。
僕は君を待っているよ。

文:ロード(中学1年)
写真:中学1年

物語 | 10:41 | comments(0)

投稿者: grouprough

美術館での旅。

2008.07.31 Thursday



目が覚めた。
ここはどこだ?と思ったが見覚えがない。
いや?ちょっと待てよ…。
この風景はいつか鎌倉館でみた松本陽子さんの「私的光景」だ。

今日は気分転換に鎌倉館に来た。入った瞬間はひんやりしていてやっぱりこの暑い夏に鎌倉館は最高だ。早速絵の鑑賞を始めた。1つ1つの絵には何か魅力的なものがあり、どの絵にもひかれたが、1つの絵に目が留まった。
「私的光景」だ。
この絵は色づかいは暗いが、どこか明るさも感じられる。そういえば、ポケット絵本にもこの作品がのっていたなと思いながら次の絵目を移そうとした瞬間、何かが光った。

・・・。

そして今ここにいたるって訳か…。
とにかくここから出よう。・・・?
どうやって出るんだ?
悩んでないでとにかく進んでみよう。
辺りは暗いが時々明るい光のようなものが見える。俺は光が見える方向に進んでみた。だが光はいっこうに俺のほうに近づいてこない。逆にどんどん離れていくようだ。とても疲れた。何時間歩いたんだろう?少し休もう。そう思い座った瞬間また何かが光った。

甘い香り、太陽からふりそそぐ光、「私的光景」に比べて温かい場所。
今度はどこだ!?
鎌倉館に戻れたのか?と思ったが、鎌倉館の中に甘い香りの物や太陽などがあるわけがない。恐る恐る目を開けてみた。
そこにはでかい花や虫、とにかく普段の生活で自分より小さなものが大きくなっている!地面はうごめいているようで、何かとんでもない生物が出てきそうだ。
…うむ?確か、この風景は田淵安一さんの…、「インディアンサマー」だ!
この絵の印象は、主人公が小さく、そこに住んでいるたくさんの生物たちと出会っていくという物語が俺の中にある。色鮮やかで少し雑っぽく見えるがとても見ていて楽しい絵だ。
そんな絵の中に俺は今入ってしまっているのだ。俺って今小さいよな…。少しイヤな予感がよぎった。

・・・。

まぁ今度もさっきみたいに歩いていれば大丈夫だと思った俺は、再び歩き始めた。でも今度はそう簡単にはいかなかった。道は遥か遠くまで続いていて、しかもどんどん暑くなって行く。さすがに歩くのはもう無理だと思い、別の方法を考えた。だけどやはり歩き続ける以外に答えは出てこなかった。俺は出口を求めてひたすら歩き続けた。

そこに一匹の虫が現れた。多分バッタだと思う。とにかく大きすぎて分からない。その虫によるとこの先進むのは相当辛いらしい。「それでの行くのか?」と聞かれた俺は「行くしかない。」と言った。俺はこの時決意した。どんなに辛いことがあっても前に進んで絵の中から出るんだと。俺の気持ちが伝わったのか、虫は俺を大きな背中に乗せてくれた。そして、虫は大きな風とともにジャーンプ!!とその時、光に包まれた。今度こそ絵の中から出ることができる!と思った。

…暑い。
この暑さはハンパじゃない。暑いというより「熱い」という方がピッタリくる。目を開けてみると、そこは赤と黒の世界だった。とにかく見たことのないすごい世界だ。この絵は確か…、杉全直さんの「湧く」?だよな…。
やはり今度も出ることができなかったか…。だけど前に進むと決断した以上引き返すわけにはいかない。俺は前に進んだ。熱いと思っていた風景もよく見ると赤と黒がキレイで、紅葉した葉が辺りをおおいつくしているようにも見えた。
・・・。だけどやっぱり熱い。夏バテとは言わないがやる気が出ない。とにかく歩くのもダルかった。このままじゃ絵から出ることができない。少しやる気が出た。
風景を見ながらのんびり歩くと案外楽しく、杉全さんがどんな気持ちでこの世界を描いたか分かる気がした。そんなことを思いながら汗だくで歩いた。歩いて歩いて歩きまくった。そうしてやっとたどり着いた。
今、俺の目の前にトビラがある。このトビラを開ければきっと鎌倉館に戻れるはず。思いっきりトビラを開け、中に飛び込んだ。
やったー!今度こそ戻れた!目を開けた。
・・・。鎌倉館じゃない。

ここは…。村井正誠さんの「天使とトビア」だ…。
「天使とトビア」といえば、トビアが旅に出て…。みたいな話だっけ?そこには白に赤、青などの色づかいが斬新な感じで、この世界にいるとスキップしたい気分になる。そういえば、ここに来る前にトビラをつかったよな。この絵の名前は「天使とトビア」…。ダジャレかよ!そう思った。そのようなユーモアがピッタリな世界だと思った。
急に人影を感じた。誰だ!?と後ろを振り向いた。そこにはトビアがいた。目と目が合った。「トビアさんですか?」と聞いた。「トビアです…。」やはりそうだった。俺はあの鎌倉館でみたトビアに会っているのだ。俺はトビアの後ろに目を移した。何かいる?そういえばこの絵は「天使とトビア」だ。トビアの後ろには天使がいるのだろう。でもトビアはその存在に気づいていない。トビアに何処に行くのか聞かれた。俺は今までのことを全て話した。そうするとトビアは俺に協力してくれると言った。トビアは俺と会う前に川に行っていたらしい。そこの川に何か光るものがあったらしい。俺に何か変化がある時はいつでも「光」の存在がある。そこに行けば今度こそ…。
トビアに別れを告げ、その川に向かった。すると確かにそこには何かがあった。俺は考える間もなくその何かに向かって、川の中にもぐっていた。その時、俺は足をつった。やばい!外に出ようとしても思うように足が動かない!やばい!苦し・・・。

・・・。

ここはどこだ?
俺は死んだのか?
いやそんな感じはしない。
目を開けた。
俺は鎌倉館の蓮池のソファーに座っていた。天井には池の波紋が映りキレイだった。今までここで寝ていたのか?あれは夢だったのか?
そう思った時、手に何かを持っていることに気づいた。あっ!トビアにもらった石だ。何かあったらこれを使えと渡された物だ。俺の手はトビアからもらった石を握っている。やはりあれは夢ではなかったであろうか…?

外は雨が降っていたらしく、蓮池の上を見上げると虹がかかっていた。

文:神楽(中学1年)
写真:中学1年

物語 | 11:52 | comments(1)

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